”多聞言葉”シリーズ(探喫8‐26)
炉火純青
「炉の火炎が純正になると温度も最高に達するよふに技芸が最高の域に達する様」
(H28.7.26)
共通の価値観を持ち、超国家的アイデンティティを目指すEUの夢が、イギリスの
離脱により揺らいでいる。
<イギリスの流れ>
0.国民投票の失敗(政治家・支配階級のおごり)
・キャメロン首相をはじめ、オバマさん、NATOのトップ、IMFの
トップ等主たる政治家・トップ階層の人は残留を訴えたにも関わらず???
↓
・緊縮策の影響を受け、国の繁栄の分配にあずかることのない多くの英国人
(中間層の下位グループ)のあおるポピュリズム(大衆迎合主義)の怒り
の波にのまれている。
1.離脱の理由
・主権の確保(EUから主権を取り戻す)
選挙権で選ばれていないユーロ官僚が作った規制、規則でEU加盟国より
力を持ち、加盟国の主権が制限される事のブロック
・移民の流入の管理
EU加盟国間で認められている労働者の自由な移動の制限
・ユーロ経済圏の弱さ
↓
離脱すれば
・主権の回復
・移民の制限
・経済の発展
↓
グレートブリテンを目指すが、現実は?
2.影響
・グレートブリテン(大英帝国)の復活ではなく、スコットランド・北アイル
ランドの独立を刺激しリトルイングランドになる危機
・イギリスの最大産業である世界の金融センターであるシティの機能低下の危機
・EU離脱交渉まで2年〜3年かかると思われるが、この間の経済活動、政治
活動の混乱
・イギリスを拠点としてEU全体の戦略を立てていた日本企業の影響
<EUの今後>
・結束か亀裂か欧州の岐路にあたり、共通の価値観を持ち超国家的アイデンティティ
を目指す大欧州の歩みを後退させない為に、イギリスの良いとこ取りは許さない姿勢
を打ち出している(これ以上離脱国を出さない為にも???オランダ、デンマーク、
イタリア等)
(問題点)
・選挙で選ばれていないEU官僚がつくった規制、規則が加盟国の主権により優先
される事に対する替在的不満
・移民、難民に対する対応策の不備
・ドイツ銀行の不祥事、ギリシャ危機等金融問題の再燃懸念
・ドイツ、フランス主導に対する不満
特に経済はドイツの一人勝ちに対する不満
↓
グレートヨーロッパを目指すがリトルヨーロッパになる危険性
<資料>
http://m.mkmail.jp/l/i/nk/ihmafn0qd7ao
このようにイギリスのEU離脱問題を政治家が責任を持つ議会の決定ではなく、国民
投票にかけるという愚作の結果(政治家の責任放棄)ヨーロッパ全体の政治・経済・
軍事バランスを崩す事になってしまった。
その影響は現時点では未知数であるが、リトル・イングランド、リトル・ヨーロッパ
にならない様に各国政治家は責任を持って行動してもらう事を期待する。
政治家はグローバルな視点と正しい国家観の基、国民をより高いステージに導くため、
政治家の責任として辛い正しい決断とリーダーシップを発揮すべきであり、間違っても
今回のイギリスのようにEU離脱問題を国民投票にかけるというポピュリズム(大衆迎
合主義)的政治を行うべきではない。
”多聞言葉”シリーズ(探喫8‐25)
聞く力
ZSK意見交換会は既に第四回まで終え「次回の意見交換会は公益社団法人全日本マネキン紹介事業協会までお問い合わせください。03−3253−5775」
同じ境遇にある仲間たちと、経営者として必要とされる課題に向き合い、自らの意見を述べたり、他の人たちの意見を聞いたりすることは、たいへん刺激的であると同時に楽しい時間でもある。
最近、経営におけるコミュニケーションの重要性を良く耳にする。グループ討議のいいところは、そのコミュニケーション能力が高まることである。つまり、“聞く力”と伝える力が身につくのである。
先ず大切なのは、“聞く力”であろう。相手の話を聞きたいというのは、相手の事をもっと知りたいという気持ちの表れである。だからこそ、相手も同じ気持ちになり、お互いの心の琴線に触れ合い、信頼関係が生まれる・・・。
相手の話に耳を傾けること、聞くことの目的は二つある。一つは、相手の心に触れ、相手を理解するためである。相手が変な要求をしているように見えても、よく聞くと自分の立場を理解してもらいたい一心に過ぎなかったりすることも多いのだ。
もう一つは、学ぶためである。小生は、ずっと提督として軍艦レストランのお手伝いを通して、多くのお客様と触れ合うことができ、お客様の悩みや生き様などを聞く機会があり、料飲代を頂きながら多くのことを学ばせて頂いたと思っている。これは今、人材デパート的な仕事に関わる中で、もの凄い財産となっている。正直、恩返しをしようにも、し足りないぐらいである。
? 先ずは、聞く姿勢を持つこと。(関係者の話を聞く時間を定期的に設定してみるの
も妙案であろう)
? 相手の立場に立って考え、質問すること。(相手を人間として尊重し、共通項を探
してみよう)
? 「行間を聞く」という姿勢を持つこと。(話している言葉の背景にある感情などを
読みとろう)
以上の3点を考慮しながら、“聞く力”を養いたいと思う。
(H28.7.18)
提督は現代至高のバーテンダーと共にカクテル探索と追究中です。
辿り着いたのがギムレットだ。そして下記文に出合ったのだが、
まだまだ、このレシピは自分には合わない。提督版ギムレット出来次第
この場で発表させていただきます。
「本当のギムレットを知らないんだね」とテリー・レノックスは言った。
ギムレットには早すぎる
レイモンド・チャンドラーの代表作『長いお別れ(清水俊二訳)』=『ロング・グッドバイ(村上春樹訳)』に重要な小道具として登場するギムレット。物語の序盤、店を開けたばかりの静かなバー。マーロウとテリー・レノックスがギムレットを飲みながら友情を育むシーンはハードボイルド史に残る名シーンの一つです。 私が忘れられなのが、落ちぶれた暮らしをしているレノックスにマーロウが、レノックスの旧友であるラスベガスの大立者を頼ればよいと諭すシーン。レノックスは、それはできないと断ります。理由は「ぼくが頼めば彼は断れない。それはフェアじゃない」から。マーロウは「彼に借りを返す機会を与えるべきだ」と反論しますが、レノックスは聞き入れません。一見似た者同士に思える二人の、価値観や人生観の決定的な違いを端的かつ如実に表し、かつ、その後の二人の運命を暗示する名シーンだと思います。
本当のギムレットを知らないんだね
また、レノックスがギムレットのレシピを語るシーンも印象的でした。彼いわく「本当のギムレットはジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、他には何も入れないんだ」とのこと。酒にあまりこだわりの無いマーロウは軽く聞き流しますが、これを聞いていたバーテンが後にローズのライム・ジュースを仕入れてマーロウに振舞います。その「うすい緑がかった黄色の神秘的な色」をしたギムレットに対するマーロウの感想は「やわらかい甘さとするどい強さがいっしょになっていた」というものでした。ギムレットは錐(きり)の意であり、この鋭く突き刺さるような味も語源の一つと言われています。 ところで、テリー・レノックスが語ったこの「本当のギムレット」とは何を根拠としているのでしょうか。過去の何かを引きずり、世捨て人のように生きるテリーが珍しく執着をみせたこの台詞には、どんな意味があるのか。なぜ他のカクテルではなく、ギムレットだったのか。そしてこの奇妙なレシピには何か根拠があるのか。その謎の答はロンドンにありました。
伝説のバーテンダー
カクテルの歴史には諸説がありますが、現代のカクテルの多くはアメリカで生まれ、1920年代、禁酒法の時代にアメリカのバーテンダーが世界中に散ったことにより広まったと言われています。その中の一人がハリー・クラドックです。アメリカからロンドンに渡った彼はやがてサヴォイホテルのアメリカン・バーのチーフ・バーテンダーとなり、その独創的なアイデアと豊富な知識で、カクテルの権威の一人と認められるようになりました。そのハリー・クラドックが1930年に発表したのが「サヴォイ・カクテルブック」です。レシピ集というより薀蓄やイラストを多用してカクテル文化の紹介することに主眼を置いたこの本は、現在でも世界中で読み継がれる”バーテンダーのバイブル”だそうです。そこにはギムレットのレシピが次のように記されていました。 「バローのプリマスジン1/2、ローズのライムジュース(コーディアル)1/2、ステアしてグラスへ、必要に応じて氷」 なるほど、イギリス仕込みのテリー・レノックスの台詞は酔っ払いの与太話ではなかったことが分かりました。イギリスの特産品であるジンとローズのライムジュースを使ったギムレットはハリー・クラドックも認めた正統だったのです。そして、イギリス人にとっては譲ることのできない矜持でもあったのでしょう。テリーの台詞には、彼の失ったイギリスでの日々と愛した人への想いが込められていたのではないでしょうか。「プロットよりもシーンを重視する」といって憚らなかったチャンドラー。彼のディティールへのこだわりが感じられる台詞でもあったわけです。