紙こよりの会 中田相談役

135701549791726389_2994736157254410_6205690438016303104_n“多聞言葉”シリーズ(探喫10‐12)

投企

コロナウィルスの猛威になす術もなく、3月中に予定していたあらゆる行事が延期あるいは中止となり、まさに1ヵ月が過ぎようとしている。今尚も、予断を許さない状況である。

紙こよりの会主催の『中津駅のアポロン(第7期第)』(5月26~31日)も開催を、残念ながら、見送った。年に1回のペースで開催であるし、今回は第二回ジャズフェスティバルも開催予定だったので、何とか実施したかったのだが断念・・・。しかしながら未定ではあるが(10月13日~18日)延期開催を予定しております。

このオープニングで、話そうと思っていたことがあるので、この場を借りて紹介をしたい。

それは、“投企(とうき)”である。“投企”とは、ハイデガーによって提唱された哲学の概念である。「被投という形で生を受けた人間は、常に自己の可能性に向かって存在している。これが“投企”である」(ウィキペディア)。

つまり、「自己の存在の可能性を未来に向かって投げ企てること」であるといえよう。

私たちが生きていく世界はままならぬ世界である(被投性)。しかし、その世界で自己の可能性を試し、どう自己実現していくかは私たちの判断と選択に任され、委ねられているのである。

  1. まず、紙こよりの会は何のために存在しているのか(理念・目的を明確に描く)。
  2. その目的を具現化するための、未来のあるべき姿とは何か(“投企”)
  3. 現状を直視する(被投性)。
  4. 「あるべき姿-現状」とのギャップを捉える。
  5. その差を埋めるために何を為すべきか(戦略と戦術)。
  6. 「仮説~実践~検証」を通して、“投企”の質を高め、続ける。

「アーティストとは環境適応業である」というが、自らの未来に対してあるべき姿(ヴィジョン)を描き、そこに自らを投げ企てることである。(受動から能動へ)

“投企”とは、「主体的価値を創造する生き方、芸術」であるといえよう。

(R2.3.30)aporon2