対立

”多聞言葉”シリーズ(探喫21‐22)

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十人十色というように、人それぞれの価値観がある。つまり、考え方や好みなど各人それぞれちがう。それゆえに、同じ紙こよりの会のメンバ-としても、意見の食い違いが生じ、“対立”してしまうことも多々ある。

“対立”といえば、ついネガティブに捉えがちであるが、

なぜ、“対立”が組織の進化にとって重要となるのか?その点に中田画伯の意見を踏まえながら、考えてみたい。

まず、その画伯は“対立”について次のように述べている。

「より洗練されたチーム(組織)は、対立をクリエイティブなアウトプットを出す源として、しっかり位置づけ、活用しています」と。

そして、チームにおける“対立”の捉え方を3段階に分けている。

  • 第一段階:むき出しのエゴ同士の“対立”

第一の段階の“対立”は、それぞれが自分のことを中心に考えていて、エゴが高まっている状態である。ここでは、“対立”は敵意を生み出すもので、創造を生むものにはならない。

  • 第二段階:“対立”はお互いの違い

第二の段階の“対立”は、お互いの意識が自分よりもチームに向かっている状態なので、意見の“対立”が起こっても、それはお互いの違いとして認識される。

そして、お互いが相手との違いから、新しい視点を学び、その視点を自分の中に取り入れながら、アイデアをバージョンアップさせていくのである。

第一段階目のときより、はるかに効果的な“対立”が起きているが、それは偶発的に起きるものであって、チームの中で意図的に起こされているものではない。

  • 第三段階:創造のために“対立”する

この段階になると、チームの中で、リーダーが意図して創造のために“対立”を起こすようになる。このようなチームでは、“対立”は創造のための手段として認識されている。だから、できる限り、視点の違いを場に出して、それを創造的に統合することで、お互いのアイデアをブラッシュアップしようとする。

以上であるが、“対立”をこのよう視点から捉え直すことができれば、お互いに妙な遠慮をすることなく、真摯にぶつかり合っていけるのではないだろうか。

“対立”を恐れず、一切手加減をせずに、本音でぶつかり合う紙こよりの会をつくろう。

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