DESIGN THINKING KAMIKOYORI

”多聞言葉”シリーズ(探喫21-03)

デザイン思考

“デザイン思考”(Design Thinking)とは、イノベーションを生み出す手法として注目を浴びている考え方である。

もう何年か前に、目にした言葉であるが、頭の中でデッドストック化していた・・・。今年度の紙こよりの会・基本方針(2021年度)として掲げた『チームワークで異次元の戦いをしよう!~戦う自分をつくる成長戦略』について考えていたとき、ふと蘇った言葉である。

つまり、「衆知(チームワーク)を集めて、新たな価値(異次元)を創造していこう」としたとき、“デザイン思考”という考え方・手法は「役に立つ!」と直感したからだ。

さて、“デザイン思考”には、次の3つのプロセスが必要不可欠となる。

  • まずは、直感「着想」である。

それは、「新たな題々の開発につながる手掛かりを見つけるプロセス」である。そのために必要なのは、観察。つまり、人間の普段の行動を観察することによって、潜在的ニーズを探り当てることである。人間の行動はそのまま「その人間の観たいこと(本質的欲求)」の現れだという。

  • 次に、イマジネ-ション「発案」である。

それは、「アイデアを創造、構築、検証するプロセス」である。つまり、潜在的ニーズから実際の絵画を創り上げていくプロセスをいう。そのためには、「良いアイデア」を必要とする。そして、「ブレーン・ストーミング」は多様で多数のアイデアを生み出す最良の手段であると考えられる。

  • 最後に、レッツビギン「実現」である。

それは、「アイデアをプロジェクトルームから市場へと導くプロセス」である。つまり、紙こより画を市場へ導入して成功させるためのプロセスをいう。そして、「実現」するに当たって必要なことは、周囲からの「理解」と「共感」であり、さらに「支援者(ファン)」が現れることが有効である。

“デザイン思考”を有名にしたのは、世界的デザインファーム『IDEO(アイディオ)』である。アップルの最初のマウスをデザインしたことでも有名であるが、“デザイン思考”を次のように捉えている。

「“デザイン思考”とは、人間の欲求に寄り添い、解決する、誰にでも身に付けることができるアプローチである」

デザインとは、人の心を察する力である。小生が“デザイン思考”に共感した理由がここにある。紙こよりの会で提唱している「未来絵画」で、「コレクタ-の心を察する力」を日常性のなかで磨き続けたいと思う。      紙こよりの会13名の使者

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”多聞言葉”シリーズ(探喫21‐05)

ビジネスパーソン

『武器となる哲学』(山口周 著)という本を手に取って、パラっとめくった瞬間に次のような文章に出くわし、印象に残ったので紹介し、考えてみたい。

『無教養な“ビジネスパーソン”は「危険な存在」である』

「なぜそうなのか・・・?」 著者は、その理由を次のように述べている。

「世界の建設に携わっている“ビジネスパーソン”こそ、哲学・思想のエッセンスを知っておいて欲しいから」だという。

余談だが、最近よくサラリーマンとかビジネスマンではなく、“ビジネスパーソン”という言葉が使われるが、それは「性差を取り払う」ために、男女平等性に習った観点からだそうだ・・・。 さて、本題に戻そう。

著者は、“ビジネスパーソン”が「なぜ哲学を学ぶ必要があるのか?」 その理由について次の4つを挙げている。

  • 状況を正確に洞察する
  • 批判的思考のツボを学ぶ
  • アジェンダ(課題)を定める
  • 二度と悲劇を起こさないために

以上、掲げてある4つの理由を見たとき、得心した。なぜならば、経営計画を策定するときの思考のプロセスそのものであるからだ。

  • まず、「いま、何が起きているのか」を問う。(現状分析と把握)
  • 次に、「What(目的)とHow(手段)」を問い直し、新しい自己に出逢うためには、古い自己を否定する。(経営環境の変化へ適応)
  • 解決すべき課題を明確にする。(普遍性の追求とイノベーション)
  • 結果に対する真摯な検証を怠らない。(フィードバック機能)

それから、この著者には『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』という著書もあるが、あらゆる物事を「世界」という視点から捉えようとするスケールの大きいパラダイム(思考の枠組み、価値観)が魅力的だと思う。

いま、「仮説~実践~検証」という経営サイクルをベースにした『多聞式目標管理システム』の見直し、検討をしているところであるが、そのベースとなる「経営計画の策定とは、自らの人生や仕事について哲学する機会である」という視点から考えてみると面白いような気がしてきた。

そして、その計画の策定に関わる者はすべて、「世界の建設を携わっている“ビジネスパーソン”」であるという大局観をベースにして再考してみたいと思う。

(R3.2.1)