nagasaki monami 馬場 洋

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“多聞言葉”シリーズ(探喫10‐17)

三つの領域

毎日が、コロナ騒動である。最近は、“アフターコロナ”、要するに「コロナが終息したあとの世の中の環境はどうなるのだろうか?」という質問をよく受ける。確かに、気になることろである。

「元の状態に戻るのだろうか、それとも・・・」 今でも厳しい中、何とか耐え忍んでいるのに、「これ以上不況が続くとしたら、本当に世の中はどうなるのだろうか?」という不安である。

ドラッカーの著名な言葉の一つに「すでに起こった未来」というのがある。

ドラッカーは「未来について言えることは、2つだけだ」として、「第一に未来は分からない、第二に未来は現在とは違う」と述べている。つまり、未来は今とは違う変化の果てであり、予測不能であるとしている。

そこで、誰かが動かす未来を探るよりも、自ら未来を生み出すほうがずっと確実であるということだ。そして、その手法として「すでに起こった未来」という考え方を提案してくれたのであろう。

予測するのではなく、すでに起こったことを観察すれば、それがもたらす未来が見えてくるはずだ。そこから、元に戻ることのない変化や重大な影響をもつことになる変化を見極めて、それらを自らの経営の成果へ生かすことを考えるべきであろう。

さて、あらゆる組織は、持続的な成長をするために、“三つの領域”における成果を必要としている。

  1.  「直接の成果」

第一は、すでに起こったことが売上や利益、顧客の数などにどのような影響を及ぼしたのか。そして、未来においてどの程度の影響をもたらすのであろうかを予見し、戦略や戦術の見直しをする。

  1.  「人材の育成」

第二は、このピンチを、人材育成のチャンスと捉える。どうすれば、このピンチをチャンスに変えられるかを徹底して議論して、健全な危機管理ができるように衆知を集めて、組織プレーができる人材育成の土壌づくりの機会とする。

  1.  価値への取り組み

第三は、一つには「顧客価値」であり、顧客が喜ぶ付加価値をいかに提供できるかという視点からの見直しだ。二つには「組織の価値観」への取り組みで、どうような土壌を形成していくかの視点が問われる。

「自らの手で未来を創造する!」という覚悟だけは、自分の意思で決められる。

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