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”多聞言葉”シリーズ(探喫‐36)

画塀

 “画塀”とは、絵に描いた餅のこと。要するに、絵に描いた餅は食えないので、役に立たないという意味である。

 多聞会は、平成12年10月から『墨字絵隊観閲式』と呼ぶ『繪画立案教室発表会』を年に1回開催し続けているが、本年度は、改装工事が続いており、来年五月のオープンである。

 過去の延長線上に未来が描けないという時代(パラダイムシフト)のせいもあると思うが、厳しい芸術環境のもと、感性(センス)の質が問われることへの不安、自覚もあるのだろう。新たな創造が受け入れられるという時代でないことは確かである。

 「絵画展の質は、目標設定の良否で決まる!」というのが小生の持論。個展の成果を出したければ、「自らの手で未来を創る!」という代表者の覚悟が必要である。その覚悟に基づいて、そのために何をなすべきかを明確にして、実行のプロセスをシナリオ化したのが絵画組織8計画である。

 その絵画組織8計画が、“画塀”にならないようにするために心掛けるべきことが3つある。

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 個展の作成を他人任せにしないこと

 作家の思いや意思、主体性が、周囲の人を動かす力になるのである。丸投げしたら、“画餅”になるのは当然である。

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 数字の遊びにしないこと

 利益や他の作品とのバランスまたは「これぐらいなら売れるであろう」などで値を付けてはいけない。作家の精魂によるものであるのでそれぞれの思いでいいのである。

 ? 現場に落とし込んだ行動計画であること

 「誰が?」「何を?」「いつまでに?」「どのように?」に行うか、具体的なアクション・プランを立て、組織一丸となって取り組む体制づくりが大切である。

 元来、グループ展を開催するということは、自らの手で未来を創ることであり、運命を共にする人々と未来を共有することなのである。ゆえに、“画餅”にしてしまうこと自体が可笑しいと考えたほうがよい。

 絵画展開催のお手伝いを通して、多くの作家と出逢い、それを実感している。

(H28.10.20)