福島区のMさんから投稿いただきました。

 

第二航空艦隊司令  山口 多聞

小生は北区中崎西に小さな介護ステ−ションを開設し日常メンタル相談に携わっておりますが

最近、従来とは異なる、奇妙なタイプのうつ病が増えている印象があります。具体的にどのようなものかと言いますと、まず彼らはうつ症状を理由に学業や仕事から退避しがちであり、さらに無責任かつ依存的で、偏向した論理によりあらゆる局面で自己を正当化する性質を有します。

「自分がこうなったのは親が悪い。社会が悪い」

「自分は悪くない。周囲が理解してくれないだけ」

彼らの言い分は概ねそのようなものばかり、欲求不満に対する耐性が低いゆえ、常に不平不満を言い、他者への思慮に欠け、とにかく一貫して自己中心的です。これらは病気ではなく、「甘え」あるいは「人格障害」に該当する。という見解も出来ます。小生は、こうした現象はある一つの徴候に由来していると愚考します。すなわち、日本人が劣化した、ということです。伝統的な家族の絆や道徳心がすっきり失われ、正しいアイデンティティイを持てずに心荒んだ若者が激増した結果、世の中全体が間違った方向に進みつつあるように思えてなりません。

例えば、昔では考えられない、途轍もなく陰惨な事件が毎日のように報道されています。いじめによる自殺事件、無差別殺人やいたいけな乳幼児を残虐極まりない手法で虐待する、鬼畜のごとき親、さらには親が亡くなってもほったらかしで年金は貰う倅、などなど、これらは、戦後の公教育が根本的に間違っていたため惹き起こされた惨劇、と考えております。

戦後GHQは、まず日本という国が二度とアメリカに歯向かわないよう、

国力増強防止策として教育改革に着手しました。エリ−ト養成機関である旧制中学・高校を廃止し、さらに国民教育の思想的基礎とされた教育勅語も問題視しました。結局、GHQの意向を受けて、教育勅語は廃止されたのですが、これは非常に残念で不幸なことでした。

1、  親に孝行をつくそう(孝行)

2、  兄弟、姉妹は仲良くしよう(友愛)

3、  夫婦はいつも仲むつまじくしよう(夫婦の和)

4、  友達はいつも信じあって付き合おう(朋友の信)

5、  自分の言動をつつしもう(謙遜)

6、  広く全ての人に愛の手をさしのべよう(博愛)

7、  勉学に励み職業を身につけよう(修業習学)

8、  知識を養い才能を伸ばそう(知能啓発)

9、  人格の向上に努めよう(徳器成就)

10、            
広く世の人々や社会の為になる仕事に励もう(公益世務)

11、            
法律や規則を守り社会の秩序に従おう(遵法)

12、            
正しい勇気をもって国のため真心をつくそう(義勇)

 

             教育勅語、 12の徳目

 

 

 

いったいどこをどう解釈すれば、これが好ましからざる内容の類と認識できるのか、小生には皆目わからないのですが、恐らく明治天皇陛下のお言葉として神聖化されていた点が問題視されたのでしょう。代わりに民主主義、自由、平等といった概念が強制力を持って導入されたのですが、これらは致命的な欠陥を内包する、いわばフィクションであると思っています。

民主主義は参政権を持つ全国民が知的に成熟していない限り正しく成立しないし、また自然権としてあらゆる自由を認めてしまえば、「万人の万人に対する闘争」が始り、無秩序で混沌とした世になってしまいます。平等に関しても、極悪非道な犯罪者と善良な市民が平等であってはいけないし、上司と部下、教師と生徒、先輩と後輩、親と子供にもそれぞれ上下関係があってしかるべきです。要するに、先住民を大虐殺、さらに黒人奴隷を牛馬の如く使役する白人たちにより建国された18世紀における新興国家の独立宣言で謳われている、白々しくも虚ろな概念が日本人に刷り込まれるようになった。同時に古き良き文化や伝統が蔑ろにされた

 日本人の精神的劣化はここから始まった、と小生は確信しています。結果、現代では自由と平等を盾として、上位に立つ者に対してあらゆる不平不満を述べ、自分を向上させるための能動的努力を放棄する我侭人間が多数派になってしまいました。先に述べた現在型うつ病患者は必ずと言っていいほど、上の教育勅語12徳目のいずれか、あるいは大半に欠落しています。かけている項目が多いほど人格障害に近づきます。そんな彼らに対し、敢えて

「自由なんかない。人生は不自由で当たり前。社会は元来不平等なもの。そういうものだと受け入れてやっていくしかない」

と小生は論じています。そうした元来伯明なる現実をはっきりと知ることが、多くの場合転換の契機になります。体育会系の学生が企業から積極的に採用されるのは、これらの事を人生の早い段階で身をもって知らされているゆえ、後の企業教育が捗るからなのでしょうか。