110.80限界深度呂008

201402211526000

”多聞言葉”シリーズ(コハ-47)

議論しない

 『D・カーネギー人を動かす2』(創元社)という本がある。著名な本だから知っている人も多いと思うが、そのなかに「信頼を築く十原則」(PART3)という内容が紹介されている。

 「十原則」とは、次の通りである。

1. 議論しない

2. 「あなたは間違っている」と決して言わない

3. 間違いを潔く認める

4. 親しみをこめて話しかける

5. 共感を得る

6. 手柄をゆずる

7. 人の身になる

8. 気高い精神に訴える

9. 物語を共有する

10.   
対抗意識を刺激する

 信頼とは、相手と心が通い合い、繋がることであり、人を動かす力の源泉である。「十原則」を頭の中で反芻していると、本を読まなくとも内容がほとんど浮かんでくる。ただ一つだけイメージがすぐに湧いてこなかったのが、「1.議論しない」である。

 職業柄か、どちらかというと議論癖がある小生にとって、なぜ「議論しない」ことが信頼につながるのか、今一つイメージが湧かなかったが、読んでみると納得・・・!

 「人と議論しても、あなたが得るものはほとんどない。議論してもたいていは双方が、自分のほうが正しいという確信を深めるだけなのだから。あなたは完全に正しいかもしれない。だが議論が何ももたらさなければ、完全に間違っていても同じだ。・・・」

 生きていれば毎日のように衝突が起きる。だが、議論からは何も得られないことを知るべきである。関係性が良くならなければ、生産的になり得ないのが人間である。

 もう一つ、良くないと分かっていながら、つい言ってしまうのが「あなたは間違っている」という一言・・・。「人の間違いを指摘するのは、敵をつくるだけである」 その通りだと思う。感情的に反応し、防衛的になるだけである。

 どうすれば、「議論しない」「人の間違いを指摘しない」ような、生き方ができるようになれるのか・・・。お互いが信頼し合うことによって、シナジー効果が生れ、より大きな生産的な場が生れることを知るべきである。自己主張よりも相手を尊重するほうが、長い目でみればより生産的なのである。

                                   (H27.12.7)