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”多聞言葉”シリーズ(探喫8‐05)

自問自答

 “自問自答”とは、「自分で問いかけ、自分で答えること」である。これは深い思考力あるいは考え抜く力を養うために、極めて有効な手段である。

 先週末(2月2日)、『ZSK(関西連絡会新年会)』を終えたばかりである。『ZSK』とは、全日本マネキン紹介事業協会の略称。1960年に、全国マネキン紹介所連合会としてスタートしたが、お陰様でロングランを続けている。現在は公益社団法人全日本マネキン紹介事業協会となり厚生労働省労働局の元許可事業所の業界である。

 『ZSK』の特徴は、ぜんぶで5連絡会(年2回の研修会×5)であるが、それぞれのテーマごとの教材はすべて対話形式になっており、2時間程度の導入講義はあるが、グループ討議を中心に運営されているところにある。

 さらに、質問の内容は、「ハウツー(どうすれば)」ではなく、基本的に「なぜ(=Why)?」を中心に考えてもらうように心掛けて準備してある。つまり、物事の本質を捉えて考える訓練をする場でありたいと思っている。

 参加者の心得として一番大事なことは、用意されている質問のすべてを自分の問題として捉え、先ずは“自問自答”してみることである。人間って不思議なもので、質問を投げかけられると、それに対して自然と考えるようになっている。

 本田圭佑サッカー選手の名言の一つに、「くどいほどの“自問自答”をするしかない!」というのがあるそうだ。「大丈夫か?」「準備はできているのか?」など、くどいほど何度も自分に言い聞かせるのだそうだ。その理由は、自らの気の弛みを未然に防ぐためだという・・・。やはり、超一流の人間はどこか違う。

 また、グループ学習の良いところは、意見交換を通して衆知を集めることができるところに妙味がある。お互いの思考性の違いに気づくことによって、切磋琢磨できてば最高である。

 経営においても、“自問自答”するときは二つの視点が大事だと思う。つまり、目的と手段である。先ずは、「Why?」や「What?」を自問することによって目的を明確にし、その上で「How?」を問い、具体的な手段を選択する。

 パラダイムシフトの時代は、時代を支配している価値観(物の考え方)が崩壊し、全体力(国家あるいは業界などの秩序)が低下するところに特徴がある。つまり、個々の独創性が問われる時代であるといえよう。自らの地頭をしっかりと鍛えるしかない。

 ZSKでは、仕事に関わるとき、「何のために(目的)」を必ず問うように心掛け、習慣化しようとしている。そこらから創意工夫のアイデアが生まれるからである。

 “自問自答”を習慣化し、考え抜く力を養いたいと思う。

(H29.2.7)